遠方に住んでいると、空き家の定期的な管理が難しく、放置してしまう場合があります。しかし、適切な管理が行われずに放置された空き家は、周囲にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
このページでは、空き家を放置することで発生するリスクや、それによって生じる損害の賠償責任について詳しく解説します。
建物の老朽化による危険性
長期間放置された空き家は劣化が進み、屋根や外壁が剥がれ落ちたり、倒壊のリスクが高まります。特に強風や地震などの自然災害時には、建材の飛散や倒壊によって近隣の建物や通行人に被害を与える恐れがあります。
景観の悪化と資産価値の低下
手入れがされていない空き家は、雑草が生い茂り、外壁が汚れたりすることで地域の景観を損ねます。その結果、周辺の不動産価値が下がり、近隣住民にも悪影響を与える可能性があります。
防犯・治安の悪化
空き家は人の出入りがないため、不審者が侵入しやすく、放火や不法投棄、不法占拠といった犯罪の温床になりやすいです。また、空き家が増えると地域の防犯意識が低下し、治安全体の悪化を招くことがあります。
害虫・害獣の発生
管理されていない空き家は、ゴミや枯れ葉が溜まり、ネズミやスズメバチ、ゴキブリなどの害獣・害虫の住処になりやすくなります。これが近隣の住宅に広がることで、衛生環境の悪化や健康被害を引き起こす可能性があります。
近隣トラブルや損害賠償のリスク
倒壊や建材の落下、害虫被害などが発生した場合、空き家の所有者は近隣住民に損害を与えたとして賠償責任を問われる可能性があります。また、適切な管理がされていないことで、近隣住民とのトラブルに発展することもあります。
放置空き家のリスクと損害賠償の可能性
空き家がもたらす被害に対しては、所有者が賠償責任を負う可能性があります。場合によっては、損害賠償額が数千万円から数億円にのぼることもあり、非常に大きな負担となることが考えられます。そのため、空き家や空地を所有する人は、他人に危険を及ぼさないよう適切に管理することが求められます。
空き家による被害モデルと想定賠償額
被害ケース | 被害内容 | 想定される損害賠償額 |
---|---|---|
倒壊による隣家被害 | 倒壊した空き家が隣家を破壊し、住人2名が重傷 | 数千万円規模 |
落下物による事故 | 屋根材が歩行者に直撃し、入院・手術が必要 | 数百万円~数千万円 |
害獣・害虫による損害 | シロアリ・ネズミ被害で隣家の建物修繕が必要 | 数十万円~数百万円 |
放火による延焼被害 | 空き家の不審火が近隣住宅に燃え移り全焼 | 数千万円~数億円 |
空き家の適正管理できていますか?
周囲に悪影響を及ぼさない空き家管理は、近隣住民への配慮だけでなく、自身の大切な資産を守るためにも欠かせません。そのためには、定期的に現地を訪れ、状態を確認する「定期巡回」と、発見した問題を速やかに対処する「トラブル対応」の2つが重要になります。適切な管理を行うことで、空き家の老朽化を防ぎ、安心して維持することができます。
定期巡回
空き家を適切に維持するためには、定期巡回が欠かせません。人が住んでいない家は劣化が早く、大きな損害へとつながる可能性があります。例えば、屋根や外壁の傷み、窓の破損、庭の雑草の繁茂など、放置すればするほど修繕費が増し、周囲に悪影響を及ぼす原因にもなりかねません。
空き家を放置せず、定期巡回を行うことで、建物の劣化を最小限に抑え、資産価値を維持しながら、安全な状態を保つことができます。自身での巡回が難しい場合は、管理代行サービスの活用も検討し、適正な管理を心がけることが大切です。

トラブル対応
空き家は人の出入りがないため、さまざまなトラブルが発生しやすくなります。草木が伸び放題になったり、蚊やスズメバチが発生したりすることもあります。また、雨漏りや屋根・壁の建材が剥がれかけている場合は、早急な対応が必要です。トラブルを放置せず迅速に対処することで、建物の老朽化を防ぎ、周囲への影響を最小限に抑えることができます。適切な管理が、空き家の資産価値を守り、ご近所への迷惑を防ぐことにもつながります。
